阿含仏教による「死後の世界」 「霊」の存在と「輪廻転生」 仏教の真実 正法を知っていただくために!! 霊能力 超能力 スピリチュアル 占い 霊界

 大乗仏教の信者の方には、霊の存在、輪廻転生の真実について、あまり信じておられない方がいらっしゃると思います。それは、大乗経典で、あまり教えられていないからだと思いますが、釈尊直説の唯一の経典・阿含経には、しっかりと記述されています。二つの阿含経をご紹介します。

 <雑阿含経 好戦経>

 時に、十大弟子の一人、神通力第一位の聖者と呼ばれたモッガラーナ尊者とロクシュナ比丘が二人で托鉢に出掛けました。そうして托鉢をしている最中に、ある時、モッガラーナ尊者が意味深長な微笑を浮かべました。そこで、ロクシュナ比丘は、尋ねました。

 「今なぜ、微笑したのですか?」モッガラーナ尊者は答えました。

 「今は托鉢中である。帰ってから、仏陀の御前でお話する。」

 そうして托鉢を終え、帰ってきて、仏陀にご挨拶をして、座に付きました。ロクシュナ比丘が先ほどのことを問いただしました。 

 「モッガラーナ尊者よ。あなたは先ほど、私と托鉢中に、意味深長に微笑されました。なぜあなたは、意味深長に微笑されたのですか?」

 モッガラーナ尊者は答えました。

 「我、路中において一大衆生の身を挙げて皮無く、もっぱら一の肉段にして空に乗じて行けるを見たり。(私は、道の上で、一人の大きな人間が、全身、皮がなく、のっぺらぼうの、肉のかたまりのようになって、虚空をフワフワと歩いて行くのを見たのだ。 要するに浮遊霊のことです。)

 カラス、トビ、クマタカ、ワシ、ヤカン、イヌ、従って、獲食し、あるいは、脇肋よりその内臓をさぐりて取ってこれを食うに、苦痛切迫し啼哭号泣せり。(いろいろな動物たちがついてまわって、噛み付き、内蔵を食い、その苦痛で泣き叫んでいたのを見たのだ。)

 私は、それを見て思ったのだ。なるほど、こういう人間は、こういう体になって、こういう苦しみを受けるのだ。そうだったのか。そう思って、私は思わず微笑したのだ。」

 そこでお釈迦さまはおっしゃいました。

 「よろしい。修行者たちよ。ただいまのモッガラーナの言ったことはその通りである。

 わが弟子たちの中で、実相を見る眼を備え、実相を知る智慧を持ち、実在の意義をさとって、正しい仏法に通達したものは、みな、このような衆生(浮遊霊)を見るのである。

 私もまた、このような衆生を見るのである。私が普段このようなことを説かないのは、信じないことを恐れるからである。

 それはなぜかというと、如来の所説を信じないものは、愚痴の人であり、仏罰によって地獄に落ちてしまうので、そうするとその者がかわいそうであるから、普段は説かないのである。

 修行者たちよ。モッガラーナの見た浮遊霊は、前世において、この王舎城において、戦争を好楽(こうぎょう、戦争を楽しみ、戦争でお金儲けをすること)し、刀剣にて人を傷つけていた人間である。すでに、百千歳地獄の中に落ちて、無量の苦しみを受け、地獄の余罪において、今この身となっても続いてこのような苦しみを受けているのである。

  修行者たちよ。モッガラーナの見たことは真実にして間違いはない。まさにこれを受持すべきである。」と。

 修行者たちは、仏陀の説法を聞き、歓喜し奉行しき。(「間脳思考」から引用しました。)

 次に、輪廻転生を解説した阿含経をご紹介します。「雑阿含経」です。あるバラモンが、仏陀に神通力対決を申し込んできました。当時では、よくあったことです。このバラモンは、ドクロ呪を誦して、人間の頭蓋骨を見ると、その人の死後の行方がわかるのです。この経典は、信ぴょう性が高いお経です。それは何故かといいますと、このバラモンは、後に仏陀の弟子となって、そのお言葉が、テラーガーターに載っているからです。テーラガーター181.182の、ミガシラ長老がそうなのです。(中村元著、「仏弟子たちの告白」)したがって、この経典は、信ぴょう性が高いのです。 

 仏陀は、バラモンを大きな墓地につれていきました。 そこで、一つの頭蓋骨を取って、彼に渡し、これは男か女か、どういう病気で死んだのか、今はどこへ生まれ変わっているか、問いました。

 バラモンは、頭蓋骨を取って、これをたたき、ドクロ呪を唱えて答えました。

 「これは男です。多くの病にむしばまれ、長い間寝たまま、苦しんでなくなりました。」

 仏陀 「この病人は、どういうくすりをあたえて治療すればよかったのか。」

 バラモン 「カリロクを蜜でねった丸薬を与えて治療すればよかったのです。」

 仏陀 「そのとおりである。いま、どこに生まれているか。」

 バラモン 「この人は、餓鬼、畜生、地獄の三悪趣に落ちて苦しんでいます。」

 仏陀 「そのとおりである。」 

 次の頭蓋骨を、与えました。次の頭蓋骨についてもバラモンは正しく回答しました。 3つ目の頭蓋骨です。3つ目の頭蓋骨は、女性で、産厄で亡くなった方でした。原文では、気力虚渇し、また、飢餓して亡くなったと有ります。

 仏陀 「今どこに生まれ変わっているか。」

 バラモン 「人間界に生まれ変わっています。」

 仏陀 「それはおかしい。食を絶して死んだ者は、餓死したものとして餓鬼界か畜生界、地獄界に落ちて再生するはずであるのに、どうしてこの女性は人間界に生まれたのか。」

 バラモン 「それは、この女性が、女性としての道徳を守っていたので、三悪道に落ちず、人間界に生まれたのです。」

 仏陀 「そのとおりである。」 

 四人目は、人に殺された頭蓋骨でした。

 仏陀 「この者は、どこに生まれたか。」

 バラモン 「この者は、天界に生まれております。」

 仏陀 「お前の言うことは矛盾しているぞ。」

 バラモン 「どういうところが矛盾しておりますか。」

 仏陀 「この世界に住むものは、男女を問わず、人に害せられて命を落とすとき、必ず、地獄、餓鬼、畜生の境界に生まれて苦しむことになっている。それはお前も知っているはずだ。にもかかわらず、人手にかかって死んだこの者が、天界に生まれたというのはどういうわけか。理に合わないではないか。」

 バラモン 「はい、そのとおりでありますが、この者は、生前、五戒を保ち、あわせて十の善行をおこなっておりましたので、その功徳により、死後、天界に生まれたのでございます。」

 仏陀 「よし、よし、確かにその通りである。しからば、この者は、どのような戒をたもって命終をむかえたのか。」

 バラモン 「このものは、八関斎の法をたもって、命終をむかえました。」

 仏陀 「よろしい。確かにそのとおりである。」(八関斎の法とは、月に数度、その日に限り、在家者に出家者の戒律を持たせることです。) 

 五人目です。今度は、仏陀は、神通力によって、一つの頭蓋骨を取り寄せました。この頭蓋骨は、仏陀の弟子で、阿羅漢になられて、無余依涅槃むよえねはんに入られた、完全解脱された、ウダーナというお方の頭蓋骨でした。

 仏陀 「男であるか女であるか。」

 バラモンは一心にドクロ呪を唱え、集中しますが、今度ばかりは、何も分かりません。とうとう閉口して、こう言いました。

 バラモン 「この頭蓋骨は、男でもなく、女でもありません。生を見ず、死を見ず、いくら一生懸命見ても、まったく手がかりがありません。いったいこれはどういう頭蓋骨でありましょうか。」

 仏陀 「止めよ、止めよ、バラモン、お前がどんなに精魂つくしても、お前の力ではとても知ることはできない。この頭蓋骨には、始めもなく終わりもなく、生もなく死もない。そういった相対的な境界はすべて超越してしまっているのだ。涅槃という絶対の境界に入ってしまっているので、次元の違うお前には目がとどかないのだ。これは、普香山の南で無余依涅槃に入った、ウダーナという阿羅漢の頭蓋骨である。」

 バラモンは、仏陀の偉大なる力に触れ、深く感銘し、弟子になったのです。(「輪廻する葦」から引用しました。)

 この経典では、阿羅漢が大乗仏教が主張するような小乗の仏ではなく、阿羅漢が完全解脱者であって、仏陀そのものであるということがわかります。大乗仏教の菩薩概念は、まったくの虚偽であることがわかります。大乗仏教の信者の方には、大変驚かれることと存じますが、現代仏教学を学ばれることをおすすめします。現代仏教学では、「大乗非仏説」が既に定説となっているのです。また、私の他の投稿をご覧ください。 

 正法を知っていただくため、参考になれば幸いです。 合掌


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